ランドオペレーターというお仕事。
私が新卒で入社したお仕事を軽く振り返って、記録できればなと思います。
ランドオペレーターとは?
あまり聞き慣れない職業かもしれませんが、旅行の手配をするお仕事です。
以下は、JTB総合研究所さんからの引用です。
ランドオペレーターとは、旅行会社の依頼を受け、旅行先のホテルやレストラン、ガイドやバス・鉄道などの手配・予約を専門に行う会社のこと。
旅行代理店さんと、地域のホテルさん、バス会社さん、飲食店さんなんかを繋ぐお仕事です。
私の場合は、海外拠点でしたので、メインは「海外旅行」。
例えば、「アンコールワットを巡るカンボジア4泊5日の旅≪厳選5つ星ホテルで優雅にステイ≫」
なんてツアーのプランを見たこともあると思います。
アンコールワットがあるのはカンボジアのシェムリアップ。日本でも有名な大手旅行代理店だと、現地に支店があったりします。
一方、規模の小さな旅行代理店だと現地に支店を置くことができません。
そのような旅行代理店さんの現地での手配やツアー運行をサポートするのが、ランドオペレーターのお仕事です。
旅行の手配や、ホテルや食事の手配などはもちろん、旅行者のリクエストに応じたオリジナルプランの作成や、現地でのトラブル対応など、様々な業務があります。
ランドオペレーターは、旅行者のプランに合わせて、現地の観光スポットやグルメ、カルチャーなどを提案することも大切な仕事の一つなんです。
やってたこと
上記の「アンコールワットを巡るカンボジア4泊5日の旅≪厳選5つ星ホテルで優雅にステイ≫」を例にします。
■ホテルの手配
4泊5日ですので、当然どこかホテルの手配が必要となります。日本からでもホテルの情報は調べることができますが、どこのホテルが改装中、40名乗りの大型バスはホテルのエントランスに入ることができるか?など細かい点は、その土地を知っているからこそ、迅速にご案内ができます。
また、≪厳選5つ星ホテルで優雅にステイ≫とうたっているので、4つ星と5つ星の違い、本当に優雅なステイができるラインアップなど、現地でしか品定めできない部分もあります。
■ツアーガイドとバスの手配
空港到着後、ホテルまではツアーバスで行くことがほとんどです。4泊5日の場合、5日間のバス利用が必要となります。人数によってもバスの大きさは変わりますし、お客様の行きたい場所を通ることができるバスの大きさなのか、事前確認しないといけません。
ツアーにはガイドさんはつきものです。カンボジア人の日本語を話せる方にお願いをします。お客様の人数やどのような場所を観光するかに合わせて、ツアーガイドさんを選びます。
また、バスのドライバーはクメール語(カンボジアの場合)しか話せません。観光地を出発するときに、迎えに来てなど、バスドライバーさんにお願いするのもガイドさんです。観光のご案内だけではなく、ツアーの時間をコントロールする大事なお仕事です。
■レストランの手配
食事は観光としてではなく、生活するのに必須です。どんな料理を食べてもらいたいか、どんな雰囲気の場所にご案内したいか、お客様のことを思ってレストランを選定します。お客様の希望の予算にあわせたベストのレストランを見つけてご案内します。
アレルギーやお子様用のセットなど、お客様のタイプにあわせる必要があります。
■ご挨拶
日本の旅行代理店さんの代わりにお客様のサポートをしますので、当然ですがご挨拶は大事です。必要であれば、空港やホテルまで出向き、ツアーガイドさんと一緒にご挨拶をします。
新入社員の時に先輩からいわれたことですが、お客様を彼女(あるいは彼氏)としてもてなせば、なんとか上手くいく、だそうです。パートナーではなく家族などをイメージしてもいいかもしれません。遠く離れた実家から、せっかく会いに来てくれた家族に、あなたならどうもてなすでしょうか。
手配以外にもしないといけないこと
手配だけがお仕事ではありません。ツアーの企画や情報の発信、ツアーガイドさんの教育やお土産の企画なんてのもしています。
■シドニーで道路について調べたこと
10年近く前のことでうろ覚えにですが、大手の車会社さんから日本の旅行代理店に問い合わせが入って、現地サポートを請け負っていた私が調べたことがあります。
オーストラリアの道路には、中央帯で一時停止をして右折のために待つことができます。このような使い方を中央帯で行うのは珍しいとのことで、シドニーに社員旅行のついでに見たいという要望がありました。
他社との相見積もりで、他のランドオペレーターにお仕事がいってしまう可能性もあるので、必死にその存在を探した記憶があります。
他にも考えればエピソードは出てきます。それこそ、日本では想定もできないようなトラブルに遭遇したこともありました。どこかの機会で棚卸しをして、記録に残せれば。。。
結局、楽しかったか
海外にいながら日本の働き方をしてきて、新入社員のときには、なんてブラックな企業にはいってしまったんだ、と思ったのは事実でしたが、、
それ以上に様々な経験ができたのが、ランドオペレーターのお仕事でした。
学生時代に抱いていた海外での生活と180度違ったものにはなりましたが、海外でちゃんとやってくにはそんなに甘くないんだぞ、と自分でも実感ができました。どこにいたって仕事は仕事。働く場所や使う言葉はなんの意味もないし、結局は自分がやるか、やらないか。
いやいやながらも結局はどこかで楽しみを感じたからこそ、約10年間つづけることができたのだと思います。
まとめ
海外旅行が徐々に復活してきていますが、日本国内含め旅行関係のお仕事では人手不足が深刻な課題となっています。
海外旅行に携わるお仕事がしたい、海外で働きながら生活したいって考えている人たちの、少しでも参考になれれば嬉しいです。